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ジブリッシュでととのう
CONTENTS
●[知識] ジブリッシュとは
●[知識] ジブリッシュの「ととのい」効果
●[知識] 頭が無になってととのう
●[知識] 心(感情)を解放してととのう
●[知識] 体を動かしてととのう
●[実践] 人間関係がととのう
●[実践] 笑いが起きてととのう
●[実践] 01.口パクから始めよう
●[実践] 02.小声で実践してみる
●[実践] 03.普通の声でジブリッシュする
●[実践] ジブリッシュを始めよう!
ジブリッシュとは
ジブリッシュ(Gibberish)とは、意味のない言葉を口に出すことをいいます。
「λx$AGu-ω〇!ΣΘEggあ"--」
漫画などではこんな風に表現されるような、口から出まかせで、まったく意味のない言葉を発することをジブリッシュといいます。
ジブリッシュという言葉のルーツは、①イスラムの錬金術師(Geber)が秘密を守るため、②イスラム神秘主義スーフィーズムの聖者(Jabbar)から、③英語圏の人が聞くギリシア語(Greek)など諸説あり、正確なところは分かっていません。
いつからか「意味のない言葉を発すること」をジブリッシュと呼ぶようになり、そのジブリッシュを行うことで、内にある感情が解放されたり、心が空っぽになったりする優れた効果が得られるため、演劇の練習で感情の表現力を高めるトレーニングや、瞑想を深めるツール、ラフターヨガ(笑いヨガ)の中で笑いを起こす下地作りなど、幅広いシーンで使われるようになりました。
ジブリッシュの「ととのい」効果
ジブリッシュを実践していると、心と身体の両面に様々な「ととのい」効果が現れることが分かっています。
●頭が無になってととのう
●心(感情)を解放してととのう
●体を動かしてととのう
●人間関係がととのう
●笑いが起きてととのう
それぞれ大切な効果なので、順番に見ていくことにしましょう。
頭が無になってととのう
ジブリッシュの効果の中で、最もわかりやすいのが頭(思考)への作用です。
ジブリッシュを練習していると、はじめのうちは「何を話せばいいのだろう」「言葉が出てこない」と、話す前に思考が働くかもしれませんが、ある程度ジブリッシュに慣れていくと、ジブリッシュで話している間は考えることができなくなっていることに気づきます。
ジブリッシュを話すことと、真剣に悩むことは共存できないのです。
考えすぎる人にとってはここが喜ばれるポイントで、頭がすっきりするという声が多いです。
このため、雑念が湧いて瞑想が苦手という方が、ジブリッシュをマスターすることで、瞑想モードに入りやすくなったというケースも少なくありません。
誰かと話すわけでなく、ただ一人でぶつぶつとジブリッシュを話し続けたり、お風呂に入りながら、ゆるゆると小さい声でつぶやき続けたりするだけで思考が停止して、「ととのい」モードに移行していきやすくなるのです。
心(感情)を解放してととのう
抑圧感情(ストレス)を出しやすくするのも、ジブリッシュの大きな特徴です。
抑圧感情には、顕在的なものと潜在的なものとがありますが、どちらにしても、その感情に支配され、振り回されて、自分を見失っている状態が乱れている状態だとすると、ジブリッシュはできるだけ安全な形でその抑圧感情を吐き出すサポートになってくれます。
もし普通の言葉ですべての感情をそのまま出したとしたら、それは即、誹謗中傷や愚痴や不満や文句やクレームなど言葉の暴力と化しますが、ジブリッシュではこの言葉の意味がすっぽり抜け落ちます。
感情だけをシンプルに吐き出すことができるため、自分も周りも傷つけることなく、抑圧された感情を解放することができるのです。
だからこそ、日常遣いとしてのストレス発散から、潜在的に抱えているトラウマ治療の分野での活用まで幅広く使うことができます。
もしジブリッシュを話せるようであれば、試しに溜まっているストレスを軽く出してみましょう。すぐにその場でスッキリする感覚を体感できるはずです。
体を動かしてととのう
ここまで頭(思考)と心(感情)について触れてきましたが、この二つの効果を引き出すために、ジブリッシュが大切にしている要素があります。
それがいかに体を動かすかです。
一切体を動かさなくても、ジブリッシュで頭をクリアにしたり、感情発散したりすることはできます。
でも、表情筋や手足の筋肉を動かす事をセットで行うことで相乗効果が生じ、ジブリッシュが持つ頭と心への効果が劇的に増すばかりでなく、身体を動かすことによる「ととのい」につながっていきます。
実際、この後の導入でも、まずは体を動かすところから始めます。
体を動かすからこそ、ジブリッシュの効果が劇的にアップするということを、ぜひ大切なポイントとして押さえた上で、取り組んでみてください。
人間関係がととのう
ジブリッシュは、コミュニケーションツールとしても活用できます。
まずは自分とのコミュニケーションです。感じるままにジブリッシュを話す。それ自体が自分との会話になります。現代人は一日に六万回思考すると言われるほど頭を使うことが当たり前ですが、「感じる時間」は一日の中にどれくらいあるでしょう。もし、感じる時間がなく、思考ばかりしているとしたら、それは自分自身の本音を理解してあげたり、労ってあげたり、もう少し自分を大切にしてあげる時間が必要かもしれません。
自分自身とのコミュニケーションが取れているほど、相手の気持ちも理解できて、人との関係性も変わってきます。まずは、自分の気持ちを自分自身がわかってあげる。自分が一番の理解者になってあげる。忘れられがちですが一番大切なポイントです。
そして、人とのコミュニケーション。言語によるコミュニケーションに偏りすぎると、「分別」する場面が増えます。「あの人は〜だ」「〜しなければならない」「絶対に〜だけは許せない」等のフィルターを持てば持つほど、自分と人は別の存在になっていきます。しかし、ジブリッシュでコミュニケーションを取っていると、それらの分別が一才なくなります。ジブリッシュには、全く意味がないからこそ、自分と相手を分け隔てる壁がなくなり、無条件に距離が縮まるのです。この感覚に慣れるほど偏見や思考のクセが外れ、対人関係も自然と、ととのっていきます。
セルフケアに限らず、周囲との関係性をも良くしてくれる。これもジブリッシュがもたらしてくれる恩恵の一つです。
笑いが起きてととのう
「笑い瞑想」の中でジブリッシュを紹介しているように、ジブリッシュを話すと思考が弱まり、体がゆるみ、感情が解放され、笑いが起きやすくなります。
ジブリッシュは、笑いや笑い瞑想のための、素晴らしい下地づくりになるのです。
●思考と笑い
思考が強いと笑いは起きにくくなります。
なぜなら思考=理性。笑いながら何かを考えられているうちは、まだ笑いに没入できていない証拠です。
逆に、お腹の底から本気で笑っているときは、何も考えられない状態になっているはずです。だからこそ、思考を弱め、笑いを誘発することにもジブリッシュは大いに役立ちます。
●緊張と笑い
自然な笑いのためには、体が緩んでいることもポイントです。
人は緊張しながら笑えません。笑っている時ほど体が緩んで、リラックスしているはずです。だからこそ、先にジブリッシュと共に体を動かして緩めることで、笑いが誘発されやすくなります。
●緊張と笑い
心から笑うためには、感情が解放されていることも大切です。
ストレスやモヤモヤを抱えた状態では、ほとんどの人は笑いづらいと思います。そうした抑圧感情、ストレスをジブリッシュで思い切り吐き出すことで、笑いの感覚や、自然な笑いが起きる感覚も高まってきます。
このように、ジブリッシュを行うことで、内側から笑いが自然にこみ上げて、お腹の底から笑ってしまっているという上質な笑いが起きやすくなり、このジブリッシュと笑いとの相乗効果で、類まれな「ととのい」効果が得られるようになります。
かなりマニアックですが、ジブリッシュを行いながら笑い転げるのもオススメです。
01.口パクから始めよう
何の準備もなく、ジブリッシュですぐに話したり感情表現できる方は、「03.普通の声でジブリッシュする」に飛んでいって構いませんが、何をやればいいのか分からない方は、まず口パクからジブリッシュを練習していきましょう。
ジブリッシュが苦手な方は、表情筋が固まっていることが多いです。 普段あまり表情筋を使わなかったり、緊張した生活を続けていると、そもそも口が動かない状態になっていて、ジブリッシュで話しづらくなってしまうのです。
こういった方は、まず口パクで顔中の筋肉を動かしていきましょう。
口や顔の表情を大げさに変化させながら、表情筋のストレッチを行うように、ワンパターンにならずに様々な形で口や顔中の筋肉を動かしていきます。
慣れてきたら、ここに身振り手振りを加えて、口も手も同時に動いている状態をつくりましょう。このときもワンパターンにならずに、360度動かすくらいのつもりで、大げさに自由に動かすことがポイントです。
とは言っても頑張りすぎず、ストレスを自由に発散させながら、それを楽しむくらいの感覚でやるといいです。
02.小声で実践してみる
大げさなジェスチャーと口パクで体が十分にほぐれたら、一度口も手も動きを止めて、聞こえるか聞こえないかくらいの、本当に小さな声で呟いてみましょう。
口がほとんど開いていないくらいの状態で、ワンパターンにならないように小さく口や舌を動かし、ムニャムニャゴニョゴョと呟くイメージで、本当に何を言っているかわからないくらいの感じで音を出していきます。
小声でぼそぼそと呟き、控えめながらも意味不明な音を出すことに慣れていきます。
これに慣れてきたら、今度はどんな音が出るかなと、遊ぶような感覚で色んな音を出してみましょう。この時も、正しくやろうなんて思わず、出てくる音を楽しむくらいの気持ちで行いましょう
03.普通の声でジブリッシュする
小声でのジブリッシュに慣れてきたら、最後は普通の声でジブリッシュを行いましょう。
これまでの練習で、顔を動かし、声も出して、ジブリッシュを話すための下地は充分に整っています。
ステップ①の最後に行った身振り手振りの動作も加えながら、口も少しずつ大きく開けていって、自分が心地よい形で自由にジブリッシュを出していきましょう。
これ以外にもジブリッシュを深める様々な方法がありますが、上の3つだけでも継続的にやっていくと、どんどん慣れてきて、ジブリッシュを実践することが楽しく、またととのい効果を感じる方がほとんどです。
ワンパターンではない色んな音が出てきたり、リラックスして話せて疲れなくなってきたら、ジブリッシュの習得度が高まっている証拠です。
変な表現ですが、ジブリッシュの語彙の量と心地よさは不思議と比例します。ぜひ疲れない、むしろ疲れが取れていき、心地よくなっていく状態を目指しましょう。
ジブリッシュを始めよう!
ジブリッシュは、何ものでもないと同時に、何ものにでもなります。
意味がないからこそ、どういう意識で実践するかで、その効果や作用は変幻自在に変化します。
今回の記事ではどういう意識、使い方でジブリッシュを扱えば「ととのい」につながるか。こうした観点から解説してきました。
ジブリッシュには自動調整機能のような働きがあります。意識の中心が頭から心(ハート)に、思考優位から感性優位に、自然と移行していくサポートをしてくれます。
究極、ジブリッシュを話すだけで自然と「ととのい」になります。
ぜひご自身のあり方、生き方に合わせてジブリッシュを始めてみてください。
文責/監修:大久保信克
◇大久保信克(おおくぼのぶかつ)
株式会社 笑い総研 代表取締役。一般社団法人Gibberish-Lab.共同代表理事。
Laughter Yoga International認定 ラフターヨガマスタートレーナー。
18歳の時に、「世の中をよくする鍵は笑いだ」と直感し、笑いの研究を開始。人々の可能性を豊かに輝かせるきっかけとして、笑いを追求し続ける。意味のない言葉を口に出す「ジブリッシュ」の第一人者としても活躍。TEDx登壇「一瞬で雑念を消し去る方法」。第11回 全国講師オーディション最優秀グランプリ受賞。現在は、企業での講演やメディアでの情報発信など、精力的に活躍している。
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