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マインドフルネス

マインドフルネスイメージ画像1

CONTENTS

[知識] マインドフルネスとは
[知識] マインドフルネスの効果
[基本] マインドフルネスの基本
[基本] 雑念が湧いてきたら
[実践] マインドフルネスの呼吸
[実践] マインドフルネスの姿勢
[実践] 瞑想姿勢の整え方
[実践] 日常的なマインドフルネス
[実践] 様々な瞑想テクニック


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マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、今この瞬間、皮膚の内側と外側で起きていることを、ありのまま感じている心の状態です。

試しに1分間、目を閉じて「呼吸と共に動くお腹の感覚」にだけ意識を向けてみてください。すぐにお腹から意識が反れ、様々な思考や感情に心を持っていかれてしまいますよね。

このように、普段の私たちの心も、目の前のことに集中しているようでも、実は無意識で漠然と心の奥で様々なことを気にしながら過ごしていて、これがストレスや集中力低下の大きな原因となっています。

マインドフルネスイメージ画像2

マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジン博士は、こういったストレスフルな状態を軽減するために、自らが実践していたヨガ、禅、仏教の考え方や技法を体系化し、「今この瞬間」に意識を引き戻し、意識したものを判断することなく受け止める訓練法「マインドフルネス瞑想」を確立しました。

宗教色が排除され、医学的/科学的な効果が検証されたこの瞑想メソッドは世界中に広まり、Google、アップル、NIKEなど、世界をリードする多くの企業が導入するに至ります。

 

マインドフルネスの効果

マインドフルネスの効果は、世界各国で研究/検証が行われていて、その効果を大きく分けると次の3つに分類されます。

▼心を整える効果
マインドフルネスの「心を今この瞬間に引き戻す訓練」によって、ストレス源への注意を断ち切る力が向上し、また自分と相手の気持ちを感じ取る力が向上したりすることで、以下の効果が出ることが確認されています。

不安や怒り、落ち込みを緩和する
気持ちや情緒を安定させる
自己肯定力や自己受容力を高める
うつや無気力を和らげる
思いやりや共感力、EQを高める
幸福感を向上させる

▼身体を整える効果
ストレスが緩和してメンタル状態が改善すると、自律神経のバランスが調整されてきます。また、身体の疲れや痛みなどを客観的かつ大らかにとらえることが上手になり、様々な身体状態が改善すると報告されています。

血圧が調整される
睡眠障害が改善する
痛みが緩和する
内臓不調が改善する
炎症が抑えられる

▼能力を向上させる効果
心を今この瞬間に引き戻し、ストレス源から注意を引き離す訓練によって、仕事の遂行を妨げる様々なマイナス要素が軽減され、コミュニケーション力の向上なども相まって、様々な能力が向上することが確認されています。

集中力や記憶力が向上する
仕事の処理スピードがアップする
変化への対応力が増す
論理的な思考力が向上する
相手の話や気持ちを理解する力が増す
チームへの貢献意欲がアップする


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マインドフルネスの基本

マインドフルネスの本質は「一切の判断を手放して、今この瞬間をありのまま感じること」にあります。

こういった境地に至るために、次の2つのステップが必要になってきます。

[止] 思考を断ち切り、今この瞬間に集中する
[観] 執着を手放して、ありのままを感じる

●ステップ1 [止]

マインドフルネスの第一ステップは、今この瞬間の一点に意識を集めることです。

ただし、初心者の方が精神力だけで集中しようとすると、緊張を引き起こして後々そこから抜け出すのが難しくなります。

少しキツめのポーズをしたり、サウナで熱風を浴びたり、圧倒的な大自然を感じたりするなどして、自然な形で思考を断ち切っていきましょう。

頭がシャキっと冴え渡り、余計な考えが湧き起こらない状態を繰り返すことで、結果的に精神力でその集中状態を引き起こすことが上手になってきます。

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●ステップ2 [観]

マインドフルネスの第二ステップは、執着を手放して、ありのままを感じること。

やはり初心者の方は、精神力で執着を手放そうとしても、その想いそのものが執着となり、脳は完全にリセットされません。。

第一ステップでしっかり思考を断ち切り、今この瞬間の一点に集中しておけば、あとはその流れでただ呼吸や音を感じるだけでOK。
考え事をしたりしても、それをも許してただ気づいておくだけでいいのです。

そうすることで脳が深く休まってリセットされ、新しい英気が内側から漲り、深く「ととのう」ことができます。

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雑念が湧いてきたら

マインドフルネスには「雑念」という発想そのものが存在しません。

集中すべきポイントに集中できている状態が「正解」で、それ以外の部位に意識が反れたり、考え事をしている状態が「雑念」と捉えて、物事に優劣をつける発想そのものがマインドフルネスではありません。

例えば「考え事をしていること」に気づいたり、「感情に飲み込まれていること」に気づいたら、その気づいている瞬間、心は「今この瞬間を、ありのまま意識すること」ができているので、マインドフルネスできているということになります。

考え事をしていたり、感情に飲み込まれていたのは、コンマ数秒でも過去の話であって、そのことに気づいている今この瞬間は、そこから抜け出して気づきや自覚があるだけなのです。

このように、マインドフルネスでは、集中が正解で、雑念は失敗という考え方がなく、何かに気づいたその瞬間こそが大切であるという考え方がベースにあり、その上で、もし気が向いたら、再び集中ポイントに戻ることで「止」と「観」の練習を繰り返し、心を「ととのい」に近づけていくことができると考えます。

※参考「呼吸の基本」

マインドフルネスイメージ画像6

 

マインドフルネスの呼吸

マインドフルネスでは「今この瞬間を、ありのまま意識すること」が大切なので、基本的には「呼吸法」と名のつく呼吸コントロールは一切行わず、自然な呼吸をただ感じておくことが基本となります。

一般的には、心を安定させて集中状態を導きやすい丹田(お臍から指4本分下の奥)に意識を向けて、そのあたりが膨らんだり萎んだり、圧迫されたり解放されたりしている感覚を感じておきます。

丹田を意識するのが難しい場合は、鼻の奥や胸まわり、鳩尾のあたりを意識しても大丈夫です。

マインドフルネス呼吸瞑想の実習音声

 

マインドフルネスの姿勢

一瞬でも今この瞬間に意識を引き戻し、その瞬間をありのまま受け止めれば、それがマインドフルネスなので、寝ころんでいても、座っていても、立っていても、歩いていても、どんな姿勢でも実践することができます。

ただ、それを一定時間練習し続けようとなると、リラックスして姿勢を保持できるリクライニング姿勢か、少し気持ちを引き締める瞑想姿勢の、いずれかが好ましいと考えられます。

●リクライニング姿勢
リクライニングチェアに座ったり、マットレスなどの上に寝ころんだりして、全身の力を脱力する姿勢。緊張が強い方や、初心者にお勧め。

●瞑想姿勢
あぐらを組んだり、イスの上に座ったりして背すじを伸ばし、それ以外の力を脱力する姿勢。すぐに眠ってしまう方や、瞑想に慣れている方にお勧め。

腰が丸まって胸が落ちたり、逆に姿勢を正そうと力んで反り腰になったりしないよう、骨盤を起こして自立させ、その上に背骨がバランスするような姿勢を作りましょう。

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瞑想姿勢の整え方

骨盤が自立して、すらりと背骨が伸びた理想的な瞑想姿勢を作るために、次のステップで姿勢を整えることがお勧めです。

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①骨盤を起こす
繊細な姿勢調整を行う前に、ざっくりと骨盤を起こしておくことがお勧めです。力を抜くと勝手に骨盤が後ろに倒れてしまう場合は、お尻の下に厚めのクッションか、瞑想用の坐布を用意して、その上に座るようにしましょう。

②頭頂を引き上げる
背骨を手っ取り早く理想的なカーブで整えるには、頭頂を引き上げるイメージを描くのが一番です。お尻が浮くくらいの強い力で、真上に引き上げられるイメージを描きながら、背骨のラインが微妙に変化する様子を感じましょう。

③余計な力を抜く
頭頂を真上に引き上げられながら、そこにぶら下がるイメージを描くことで、背骨以外のあらゆる筋肉を脱力、特に首肩背中がゆるんでくるのを感じましょう。

④バランスを感じる
全身の筋肉の存在を忘れ、骨盤→背骨→頭蓋骨がバランスして自立している状態を作ります。「サウナ瞑想の呼吸」で紹介しているように、全身を呼吸が通る筒に見立てて、まっすぐ感を整えるのも有効です。

⑤手を楽な位置へ
背骨のラインと状態が整ったら、手を楽な位置において、手の平を下向き(安定感アップ)にしたり、上向き(開放感アップ)にしたり、好きな状態にしておきます。

 

日常的なマインドフルネス

毎日3分から20分程度、特別な時間をとってマインドフルネスの練習をすること(マインドフルネス瞑想)も大事ですが、それ以上に、日常生活の様々なシーンで、事あるごとにマインドフルネスを思い出すことも大切です。

例えば、朝の起き抜けにスッキリしたい時、移動中の暇時間に、お仕事の前に集中力を高めたい時、疲れた時のリフレッシュに、お休み前のクールダウンに、ほんの10秒でも手を休めて、今の自分のありのままの呼吸や気分、音、香りなどを感じることで、マインドフルネスの恩恵を受けたり、マインドフルネスのスキルを高めることができます。

このように、特別な時間をとらなくても、どんな時でも、どんなシーンでも、マインドフルネスを実践することができるということを、ぜひ心にとめておいていただければと思います。

 

様々な瞑想テクニック

マインドフルネスを、特別な時間をとって練習したいとき、一番のお勧めはすでにご紹介した「マインドフルネスの呼吸」ですが、それ以外にも、様々な対象に対して「今この瞬間、ありのままを感じる」練習を行うことができます。

●ボディスキャン
ヨガニドラ(眠りのヨガ)という瞑想法のテクニックで、身体のパーツを順番に感じていくことで、自然と心を集中かつ大らかに導いていくことができます。

●聴覚瞑想
自然音や生活音などに対して、耳を澄ましておく瞑想法。最初は特定の音に意識を向けることもありますが、最終的には音を浴びる感覚を練習します。

●味覚瞑想
レーズンやプルーンなど、固形で味わい深いものを選び、食感や舌触り、噛み続けた時の味の変化、飲み込んでいく感覚などを繊細に感じていきます。

●触覚瞑想
石や床など、繊細に触れてその感覚を受け取る瞑想。視覚と共にその対象を丁寧に感じたり、目を閉じて柔らかさや質感、温度などを感じてみたりします。

●歩行瞑想
最初はゆっくり歩くことで、足の裏が順に接地していく感覚、離れていく感覚を味わい、やがて自然なペースで歩いてその感覚をただ感じておきます。

 

文責/監修:綿本彰(わたもとあきら)

日本ヨーガ瞑想協会会長。一般社団法人ワークフルネス理事。
マインドフルネス瞑想指導者トレーナー、ヨガニドラ指導者トレーナー。
瞑想/睡眠系YouTuber。

世界各国でヨガ/瞑想/マインドフルネスを指導し、長きに渡り日本におけるヨガ/瞑想をリード。
様々な地域や施設に対応した瞑想プログラムの構築、瞑想的な観点からの施設コンサルティングなどを積極的に行っている。
50冊以上の著書は、累計100万部を超える。

綿本彰オフィシャルHP:https://watamoto.jp/

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