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ととのい時間 > 森ヨガでのととのい方

森ヨガでのととのい方

森ヨガでととのう

CONTENTS

[知識] 森ヨガとは
[知識] 森ヨガの哲学
[知識] 森ヨガ 3つのステージ
[知識] ステージ1『木ステージ』
[知識] ステージ2『林ステージ』
[知識] ステージ3『森ステージ』
[実践] 森ヨガを始めよう!
[実践] 森ヨガの服装
[実践] 森ヨガでととのうコツ

森林療法でのととのい方

 

森ヨガとは

森ヨガとは、森林浴マインドフルネスヨガをミックスした、ウォークスルー型の哲学アクティビティです。

森林療法でのととのい方」で紹介されているように、森林浴や森林療法には、すでにマインドフルネスや呼吸法、運動などの要素が含まれていますが、より本格的な呼吸法やヨガのポーズ、マインドフルネス瞑想やその他の技法を取り入れるのが「森ヨガ」の特徴です。

森歩きを楽しみながら、ふと立ち止まって呼吸法をしたり、瞑想をしたり、水平な場所をみつけたらヨガマットを敷いて本格的なポーズをしてみたり、少し時間を取って内観してみたり。

決まり事やプログラムに縛られず、その場での出会いやハプニングやインスピレーションに導かれながら、自然を自分の内側に取り込み、内側のものを周囲に解放していく、ヨガの究極のスタイルです。

 

森ヨガの哲学

上の項目で、森ヨガとは 哲学アクティビティだと書いた通り、森ヨガは一つの哲学を持っていて、それを探究するための取り組みだということができます。

私たちが「ととのい」を感じる瞬間。

その最大のカギを握るのは「ととのいエッセンス②」に書かれている通り、心があらゆる執着を離れて無防備に手放せている状態になることです。

熱波と水風呂を何度か反復したとき、涙が出るくらい笑い転げたとき、限界まで筋トレをやり切ったときなど、「もう為すべきことは何もない」と心がすべてを手放せたとき、どこからともなく「ととのい」が訪れます。

逆に私たちの心は、例えば人が作り上げたものに触れ続けることによって「思い通りに為そうとする心」が強まり、それはそれで物質的な豊かさを築く上では不可欠なものではありますが、心はいい意味での諦め潔さを失い、小さなことでもすぐに固執してしまうクセが染みついてしまいます。

サウナや大笑いなどの強烈体験には、こういったクセを強制リセットする作用がありますが、強制がゆえに一過性のものに終わることも少なくありません。

森ヨガでは、森林浴とマインドフルネスによって周囲の自然を感じ、ヨガや内観を通して自分を感じ、その双方の関わり合いを感じながら、全体の中で生かされている自分、悠久の時の流れの中で奇跡的に今存在している自分、自分だけの力では及びもしない自然を感じながら、己を知り、分を知ることで、不要な執着をそぎ落とし、穏やかな「ととのい」を経験します。

この「小さな悟り」とも言えるような自然と自己の体験を、森ヨガでは哲学アクティビティとして、最も大切に考えています。

ととのうコツ

 

森ヨガ 3つのステージ

時として、人生を変えるほどのととのい力を持つ森ヨガですが、都心で忙しく暮らす方々には、豊な自然に足を運ぶことは容易なことではありません。

そこで森ヨガでは3つのステージを想定して、段階的に濃厚な森ヨガ体験をしていただく道筋が設けられています。

ステージ1『木ステージ』 ご近所レベル
ステージ2『林ステージ』 日帰りレベル
ステージ3『森ステージ』 リトリート

それぞれのステージで、どのように森ヨガの哲学を実感することができるのか、個々のステージごとに見ていくことにしましょう。

 

ステージ1『木ステージ』

森ヨガのステージ1は『木ステージ』。ベランダの鉢植えや近所の公園の自然など、気軽に触れることができる自然を感じながら行う森ヨガです。

小さな一本の木や、人の都合で植えられた木々からは、大自然との関わりはおろか、フィトンチッドやマイナスイオンの効果でさえ得られないかも知れませんが、近くに寄って香りを嗅いでみだり、幹や葉に触れてみたり、小さなゆらぎを感じ取ることは可能です。

通常のヨガでは、主に自分の内側の世界に意識を向けることが多いですが、「ネイチャーマインドフルネス」でも触れられているように、自然が持つ自然らしさに心を寄せることは、自分の内側に自然に気づく大きな足掛かりになります。

森ヨガのステージ

 

ステージ2『林ステージ』

森ヨガのステージ2は『林ステージ』。自然豊かな公園や、局所的にでも大自然の気分が味わえるような、都心から日帰りできる程度の自然の中で行う森ヨガです。

いつもよく訪れる場所だったとしても、足裏に感じる土の感触や、吸い込む空気や聴こえてくる音の感じが変化していく様子、葉っぱや枝の匂いや肌触り、色彩の豊かさなど、様々な感覚に意識を向けてみると、毎回、毎瞬間ごとに変化していることに気づき、そんな自然のエッセンスを内に取り込むことができます。

そしてどこか邪魔にならない場所を見つけて、思い切りヨガで身体を動かし、たっぷり休憩することができれば、より優しい気持ちで自然を感じ、きっと自分の内側にも自然を感じることができることでしょう。

 

ステージ3『森ステージ』

森ヨガのステージ3は『森ステージ』です。今住んでいる所が自然豊かなエリアだったとしても、少し遠出をして非日常的な環境に身を置き、できれば泊まりでゆったりとした時間を確保しながら、たっぷりと自然を味わうリトリートとして行う究極の森ヨガです。

目的の場所にたどり着くことや、たくさん歩くことを大切にせず、ゆっくりと森のコースを歩きながら、自然を感じ、時おり内側の感覚を感じ、疲れてきたら休んで呼吸法をしたり、瞑想したり、安全な水辺があれば足をつけたり、寝ころがれそうな場所があったらのんびりくつろいでみたり。

ゴールではなくプロセスを味わいながら、もしどこか身体を動かせそうな場所があれば、ヨガマットを敷いて全力で動いたり、その後のまどろみを愉しんでみたり、自分の存在や今呼吸していることを感じてみたりして、何かを見つけようとせず、逆に様々なものが勝手に訪れてくる様子を自由に味わっておきましょう。

森ヨガの最終ステージ

 

森ヨガを始めよう!

どこに住んでいても、どれだけ忙しくても、日々の生活の中で森ヨガを実践することは可能です。

ポーズを行ったり、呼吸法を行ったり、あるいはほんの一瞬だけ「今この瞬間」を感じてみたりするだけOKです。

その時、自分の内側で起きていること以外に、自分の外側で起きていることにも意識を向けて、できればその対象が木々などの命を持った自然であればいいのです。

私たちの心は、優しい気持ちで繊細に何かを感じれば感じるほど、それを大切にする心が育まれます。

自分だけでなく、相手にだけでなく、その双方を優しく感じること。
それが森ヨガが最も大切にしていることなのです。

 

森ヨガの服装

近くの公園などでは、普通のヨガウェアでも大丈夫ですが、少し深い森でヨガを行う場合は、それなりの装備が必要になります。

季節に応じた服装に加え、虫の多い季節や場所では対策することで、安心してヨガに専念できますし、急な天候の変化を想定して雨具や帽子などの用意も大切です。

慣れない場合は、無理せずガイドさんにお願いしたり、森ヨガのイベントに参加したりして、安心できる環境でスタートしましょう。

森ヨガの最終ステージ

 

森ヨガでととのうコツ

最後に、森ヨガでたっぷり「ととのう」ためのコツをご紹介しておきます。

上でも触れましたが、何よりも「プロセス」を味わうことが大切です。

都会が都会の時間で動いているように、森には森の時間があって、毎日の一瞬一瞬が大切に営まれています。

森は来る人を選ばず、森の時間軸の中ですべての人を平等に受け入れ、フィトンチッドや緑の色彩でもって私たちをもてなしてくれます。

人が作った環境の中でのみ生きていると、どうしても義務を背負い、締め切りに追われてゴールへと急ぎ、それを満たさなければ受け入れられないというストレスに晒されながら生きることを余儀なくされます。

だからこそ、せめて森の中では森の時間に心を切り替え、どこに進むにしても、何をやるにしても、子供心に還って一瞬一瞬を新鮮に感じ、味わい、満たされる姿勢でいるようにしましょう。

そのためにこそ、丁寧に自分の外側を感じ、自分の内側を感じ、そして全体を感じるひとときを、思い切り味わっていただければと思います。

 

文責/監修:綿本彰(わたもとあきら)

日本ヨーガ瞑想協会会長。一般社団法人ワークフルネス理事。
森ヨガ指導者トレーナー、ネイチャーマインドフルネス講師。
瞑想/睡眠系YouTuber。

世界各国でヨガ/瞑想/マインドフルネスを指導し、長きに渡り日本におけるヨガ/瞑想をリード。
様々な地域や施設に対応した瞑想プログラムの構築、瞑想的な観点からの施設コンサルティングなどを積極的に行っている。
50冊以上の著書は、累計100万部を超える。

綿本彰オフィシャルHP:https://watamoto.jp/

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